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第五十話 大捕物

last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-12 05:00:02

第五十話    大捕物

明治七年 一月。 赤坂で岩倉《いわくら》具視《ともみ》暗殺未遂事件があった。 喰違《くいちがい》の変である。 容疑者は確保されていたが、仲間の数名が行方をくらませていると瓦版には書いてあった。

四月、その仲間が吉原に潜伏しているのではないかと噂になっている。

 そこに政府が吉原にやってきて 「容疑者確保の為に協力願いたい」とのことで、妓楼を見回ることになった。

 警察など五十人態勢で吉原の妓楼を見回る。 これには客も困ってしまい帰っていく。

 「なんだい? これじゃ売り上げにならないじゃないか……」 采がボヤいている。 妓楼なのだが、政府の役人もいて表向きは『貸し座敷』となっている分、抗議ができないままだった。

 「お婆……何の騒ぎ?」 菖蒲と禿たちが采に聞いていると、

 「なんでも役人に襲撃したヤツが、吉原に逃げ込んだと騒ぎになっているんだよ」 采は説明しながらキセルを吹かせている。

 昔から吉原周辺では物騒な事が起きている。 江戸では辻斬りというのが多くいた。 吉原に通う客を狙った犯行が多くあり、金目当てや愉快犯なども多くいたのだ。

 刀や銃の規制があり、平和だと思った矢先の噂に妓女たちは震えている。

 梅乃も拳銃を見てしまい殺されかけた事もある。 吉原では病気以外にも恐怖と戦っている。

 「どうやら、ここは居ないようだ。 協力、感謝する」 警察は三原屋から出ていく。

「お前たち、梅乃を見張っておけ」 采が小夜と古峰に指示を出す。

 これは梅乃が『トラブ

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